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ホーム > お知らせ&日記(ブログ) > マンション管理士 業務日誌 > 大規模修繕の設計仕様を決めるための調査・診断について

2012年03月01日  [ カテゴリ:マンション管理士 業務日誌 ]

大規模修繕工事コンサルティングを受託している管理組合の建物簡易調査に立ち会ってきました。
大規模修繕工事を設計監理方式で実施する際には、設計業務を受託した設計事務所が業務の一部として必ず建物簡易診断(調査)を実施します。
調査から、設計予算決定までの手順はおおむね以下の通りです。
  1. 全戸を対象としたアンケートの実施
  2. アンケート結果の集計後に共用部分の現地調査及び特定の住戸のベランダ調査
  3. 調査結果の報告書のまとめ
  4. 報告会
  5. 大規模修繕工事の仕様の打ち合わせ
  6. 最終仕様及び設計価格(予算)の決定
大規模修繕工事は、多額の費用をかけて実施しますので、組合員に対する丁寧な広報活動が結構重要なポイントになると思います。
現在のマンションの傷み具合を調査して、必要な修繕工事を決定していくことになりますが、管理組合が考えている予算の問題や、居住者が希望している改善項目等をテーブルに乗せて一つずつ決定していく作業は結構やっかいなものですが、きちんと手順を踏んで進めることが肝要です。

私のマンション管理士事務所では、設計事務所が行うこのような作業状況をチェックして理事会に報告し、管理組合と設計事務所の円滑な連絡役も行います。
重松事務所とお付き合いのない設計事務所は、大規模修繕工事にマンション管理士が関与して事業を進めるやり方はあまり経験がないので、最初はあまりいい顔をしない場合が多いのですが、当事務所の立場や業務内容を理解した後は、逆に「マンション管理士事務所が間に入って管理組合と設計事務所の各種調整や連絡等をやってくれるのでありがたい。」という意見が多いようです。

当日の様子とその後の説明会等

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事前のアンケート用紙です。
共用部分は、室外から確認できますが、ベランダ等の専用使用部分は外部から確認できませんので、全戸を対象としたアンケートを実施して、不具合点を居住者に確認してもらうシステムです。
当然ですが、アンケートの回収率が重要なポイントとなり、回収率が高い方がより詳細なデーターが集まります。
最低でも60%できれば80%以上が理想です。
アンケート回収後にいったん集計した後、今度は現地で共用部分等の調査を行います。
ベランダ等の専用使用部分に関しては立ち入り調査となりますが、希望者を優先して実施します。立ち入り調査の戸数は、特に規定はありませんが全体戸数の10%から15%程度が多いようです。
希望者だけで必要な戸数に達しない場合は、理事や専門委員の方にお願いして調査に協力してもらいます。
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ベランダの立ち入り調査の風景
事前アンケートで、不具合箇所の指摘があった部分を重点的に確認します。
調査結果は、細かく記録して設計仕様を決定するときの参考資料とします。
施工数量等は、図面が保管されていればかなり正確に算出することができますが、必要に応じて開口部の実寸法等もチェックします。
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これは、理事会で調査結果を確認している風景です。会議は重松事務所の会議室で行いました。
この後、「調査結果報告書」の形で居住者に対して説明会を開催するための準備作業となります。
アンケートに記載された居住者からの改善希望項目等もこの時に確認し、今回の大規模修繕工事で対応できるものやそうでないものなどの層別作業も行いました。
実際の説明会の資料です。
調査項目や部位ごとに劣化の状況をグラフ化して説明したりしています。
また、このマンションでは3.11の地震の被害状況も合わせて報告し、居住者の方には好評でした。
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診断結果報告会では、具体的に調査写真を交えて説明したほうが住民も理解しやすいと思います。これは、設計仕様を決定するための基本設計資料です。
各部位ごとに、複数の方法で修繕工事を提案しています。これを受けて管理組合は、「予算」、「居住者の希望項目」、「優先順位」等を検討し、さらに「費用対効果」も含めて最終仕様を決定します。
右側の資料は、最終仕様と設計金額が記載された明細書でいわゆる「予算書」になります。

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