業界トップクラスの実績を持つ千葉のマンション管理士 事務所所長 マンション管理士 重松秀士が、マンション管理 コンサルタントならではのお役立ち情報をお届けします。 携帯版
重松マンション管理士事務所では、現在2件の大規模な給排水管等の更新工事のコンサルティングをやっています。
竣工後の年数が30〜35年のマンションが増えてくるに従い、最近は設備工事の中でも特に給水管・排水管の老朽化に伴う取替(更新)工事が目立つようになりました。
給排水管が劣化しますと、配管内面の腐食が進行すると共に詰まりや残存肉厚の減少も生じ、これが原因で赤水・滲み・滞流・臭気・漏水などが起こるようになり、日常生活に支障をきたすと共に重大な事態をもたらすことにもつながります。
そこで今回は、現在千葉市内でコンサルティング中の大型団地の給排水管等の更新工事をご紹介しながら、給排水管等の改修工事の進め方、実施の際のポイント等をご案内いたします。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、給水管・排水管は共用部分と専有部分の両方に跨って一体となって存在している物ですから、工事を行う場合には必ず住戸内(専有部分)に立ち入らざるを得ないことになります。
ここが外壁等の大規模修繕工事と大きく異なる部分です。
それでは、実際の住戸内の工事の様子をご紹介いたします。
天井内にある給水管を更新するため、天井を解体しているところです。 木くずや埃が飛散しないように養生をしっかり行っています。 室内の工事であるため、特にこういう気遣いが必要です。 | |
解体された天井部分です。 銀紙(アルミ箔)のようなもので包まれている部分が給水管で、今回はこれを交換します。私のマンションの場合は比較的珍しい事例ですが、住戸のタイプにより給水管が天井裏に配管されている部屋があります。あとの2本は、給湯管とガス管であり、まだ十分使えるとの調査結果に基づき、今回は交換しません。 | |
壁内にある排水竪管を更新するため、廊下の壁を解体しているところです。 竣工図と事前調査により、配管が通っている場所は分かっていますが、壁を解体するときはさすがに緊張します。 解体部分は、必要最小限にするように配慮しています。 | |
解体された壁部分です。 手前の太い管が排水竪管であり、これを新品と交換します。あとの2本は、給湯管とガス管なので今回は交換しません。 復旧工事がやりやすいように、解体した部分と解体しなかった部分の区切りはきれいに管理されています。 | |
この住戸は給水管が洗面所の床下にあるタイプなので、洗面所床下に敷設されている給水管を更新するために床部分を解体したところです。 ここについても、家具が汚れないように周囲を丁寧にビニールで覆っています。 | |
クローゼット内にある配水竪管を更新するため、クローゼット内部を解体しているところです。 こんな場所まで解体することになるのですね。。。。 | |
解体されたクローゼット部分です。手前の太い管が排水竪管であり、これを新品と交換します。 L字型の白い管は給湯管であり、これは今回交換しません。 |
なお、上記で解体された箇所は、給排水管改修工事後にいずれも元通りに修復されています。
上記の写真は給排水管改修工事の実際の模様ですが、ご覧になったように専有部分内の天井や壁、床を解体して工事を行うことになりますので、この点が屋上防水や外壁塗装等を主体とした大規模修繕工事とは大きく異なることになります。
続いて、こういった室内工事が中心となる給排水管改修工事の進め方や留意点などをご紹介いたします。
長期修繕計画において給排水管の修繕予定時期が迫って来たとか、住民から漏水事故の報告を耳にするようになったときには、その計画時期に向けて修繕を実施するかどうかの検討を始めることになります。
一連の流れについては、一般の大規模修繕工事の場合とほぼ同じであるため簡単に記述しますが、給排水管工事特有の事項については補足を付け加えます。
実は、この給排水管改修工事を実施するに当たって最も重要なことは、いかにして住民の理解や協力を得るか、ということです。
繰り返しになりますが、全戸の専有部分に立入って工事を行うことになりますので、住民に工事の意義を理解してもらい、管理組合や施工会社からお願いされたことをきちんと実行してもらうなどの協力がないと工事はうまく進みません。
そのために、例えば以下のようなことを伝えていきます。
個々の詳細は省略いたしましたが、挙げれば結構あります。
最後に、重松マンション管理士事務所で現在お手伝いしている団地の事例を差しさわりのない範囲でご紹介いたします。
このマンション(団地)では、竣工後30年以上経過し、これまで時々漏水事故が発生していました。そのため、工事実施予定の3年程前に給排水管改修工事に向けた修繕委員会を立ち上げて工事実施の必要性等について調査と検討を重ねると共に、折に触れ、漏水事故発生の事実や委員会の活動状況を広報紙で住民に知らせてきました。
そして、いよいよ工事を実施すること事業計画として総会で承認され、設計事務所を選定し、改修工事のための設計作業が終了した時点で「設計概要説明会」を開催することにしました。
この「設計概要説明会」を開催しない管理組合も見受けられますが、住民に説明を尽くし理解を得るという視点からは実施したほうが良いと思います。
説明会の1ヶ月近く前に開催案内の文書を全戸配布すると共に各担当者が積極的に回収に動いた結果、出席申込者は実に92%という驚くべき数字となって現れました。
管理組合の理事を経験されている方ならよくご理解いただけるのではと思いますが、一般的な管理組合の総会ですと、どこの管理組合でも大体10%とか20%、多くても30%位というところが相場です。そのことを考えますと、この92%という数字がとんでもない驚異的なものであることがお解り頂けると思います。
そして、次に、説明会の10日程前に「説明会資料配布のお知らせ」として、資料配布案内と共に説明会の開催趣旨や今後の予定を書いた文書及び工事終了までのスケジュール表を全戸配布しました。
住民に目前の「設計概要説明会」の意義を知ってもらうと共に、その後の主な予定をあらかじめ具体的に知らせておくことで工事実施に対する理解を更に深めてもらい、協力を得やすくするためです。
そして、いよいよ今月からは施工会社の募集・選定段階に入り、5月の通常総会でその承認を得た後、6月以降、全住民向けの工事説明会 〜 全戸戸別訪問 〜 工事着手 〜 工事完了という経過を辿ることになりますが、これまでの住民の皆さんの様子からして工事はきっと大成功のうちに終了するものと思われます。
全住民が工事の目的やその具体的な内容を知り、関係者がお願いすることをきちんと理解し協力をする姿勢が窺える限り、特に何事もなく工事は良い結果を伴って終了すると確信できます。
皆さまの住むマンションをいつまでも良好・快適な状態に保つために、このページがお役に立てば幸いです。
マンション管理コンサルタント マンション管理士 重松 秀士(プロフィール| )
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