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重松マンション管理士事務所では、事務所のスタッフを中心に定期的に勉強会を開催していますが、今回は大規模修繕工事の瑕疵保険について勉強会を開催しました。
大規模修繕工事で工事会社を決定するときの注意事項としては、いくつかありますが、
等ですが、その中でもとくに重要なのは「3」の会社の信用だと思います。
工事期間中に倒産してしまえば工事が完成しなくなりますし、工事完了後は、工事内容によっては最大で10年から15年の保証をしてもらわなければなりません。
ですから、財務内容がしっかりした会社(倒産しない会社)を選定することが大前提ではありますが、このような会社ばかりとは限りませんし、その選定基準もなかなか難しいものがあります。
また、管理組合の予算額の問題もあるので、分かっていても、信用力よりつい見積金額の方が優先される傾向にあります。
例えば、1社は帝国データーバンクの評点も高く、会社の内容は問題ないけれど金額は高い、もう1社の方は、金額は一番安く管理組合の予算内に収まっているが会社の内容に若干の不安がある。
このような場合は、どちらの会社に発注するべきか迷っていしまいます。
重松マンション管理士事務所では、大規模修繕工事のコンサルティング業務の一環として、工事会社を募集する際には、資本金や実績面だけでなく、売上や利益の推移、自己資本比率、経営事項審査結果通知書の内容、帝国データーバンクの評点なども調査し、最終発注段階では、必要であれば3期分の決算報告書を取り寄せて詳細な分析をして管理組合に報告します。
ですから、最初の応募段階から、ある程度のレベル以上の工事業者に絞り込んだうえで、見積依頼をすることになりますが、管理組合の事情(特に工事予算)によっては、基準を見直した上で、多少窓口を広げて(ハードルを低くして)募集することもあります。
工事の途中で倒産されたら大変なことになりますので絶対にこれだけは避けなければなりません。一般的に行われている方法としては、以下の手段があります。
工事の完成を保証する「工事完成保証会社」を契約時に付ける方法があります。
これは、工事会社がもし工事中に倒産などして工事を継続することができなくなった場合に備え、元請会社と同等の規模や能力の同業者に、その後の工事の完成を保証してもらう契約方式です。
この契約をしておけば、元請業者が万が一工事期間中に倒産した場合は、完成保証会社がその後の工事を引き受けて完成させてくれます。
この方式は、管理組合に別途費用がかかりませんし、一見合理的に感じますが、同業者間の馴れ合いや、談合の温床になる可能性があり、得られる保証よりもデメリットの方が多い場合もあります。
保険方式で、工事の完成を担保する方法があります。
この保険を引き受ける団体は複数あるようですが、私が調べた限りでは、設計事務所系の団体、金融機関と提携した団体、工事会社系の団体の3社でした。
契約金額に応じて保険料を払い、工事期間中に工事会社が倒産して工事が継続できなくなった場合や、前金を払ったのに倒産されて金銭的な被害が出た場合などに対応できる保険です。
具体的には、保険を引き受けた団体が認定した工事会社が残りの工事を継続して引き受けたり、実際に金銭的な損害が出た場合はその金額を補償するシステムとなっています。
大規模修繕工事では、主要な工事項目について契約上の保証期間があります。
例えば防水工事であれば、漏水に対して10年とか、塗装工事になら、塗膜の膨れやハガレ、変退色に対して5年等です。
工事の引渡し後に、保証の対象(いわゆる「瑕疵」)に該当する事態となった場合は、施工した会社が当然に補修工事等を実施してくれることになりますが、その時に会社が倒産してなくなっていたら補修してもらうことができません。
それを担保するのが大規模修繕工事瑕疵保険です。平成22年10月に、消費者保護のために国土交通省が認可した保険です。
この保険は、平成21年に施行された「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」により国土交通省が指定した保険会社が取り扱っています。
大規模修繕工事瑕疵保険を取り扱っている会社は4社ありますが、そのうち下記の大手2社が有名です。
ハウスプラス住宅保証株式会社
株式会社住宅あんしん保証
この日の勉強会の出席は約10名 内輪での少人数の勉強会です。 | |
実際の「保険加入証明書」です。 保険証券は、契約者である工事会社に対して発行されます。 大規模修繕工事のほとんどは、建築基準法の適用を受けないので、その品質についてどのように担保するのかが問題となりますが、保険会社の検査員の検査が入りますので、その意味では一定の品質が担保されるともいえます。 |
マンション管理コンサルタント マンション管理士 重松 秀士(プロフィール| )
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