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2005年04月01日  [ カテゴリ:マンション管理士奮闘記(事例紹介) ]

今回は、私のマンション管理士事務所での事例を基に、管理会社変更について書いてみました。

私は原則として「管理会社変更」や「自主管理への移行」はお勧めしません。
なぜならば管理会社管理組合にとって重要な「パートナー」であり、また自主管理区分所有者のそれなりの覚悟がないと実際に運営していくことがが大変だからです。
しかし、それでも管理組合や理事会は管理会社を変更したいと思うときが結構あります。
今回は私が経験した中から書ける範囲のものをお知らせしたいと思います。


1.背景

本来、管理組合と管理会社は民法の「委任」に基づく関係を元に契約が成立しています。
そして委任の根幹を成すものは「信頼関係」です。しかし、その信頼関係が時として崩れてしまい、いつの日か管理会社を変更したいと思う管理組合が意外と多いのです。
管理会社を変更したいと思う主な理由のビッグ3は「掃除が汚い」「管理員の態度が悪い」「フロントマンの対応が悪い」等どちらかといえばすぐに改善ができたり、また担当者を変更すれば解決する問題だと思います。それなのにどうして会社の変更までいってしまうのでしょうか。

2.抱える問題

・裏には、管理会社の「フロントマン不足」と「理事会の1年輪番制」にあると思います。
・最近の競争の激化で管理会社が管理組合から頂く委託業務費はもう限界近くまで下がっています。会計業務や出納業務に関しては手を抜くわけにはいかないのでどうしても手を抜きやすい分野を削っていくしかないのです。
「掃除の回数を減らしたり、アルバイトを多用する」「フロントマンに多くの物件を担当させて人件費を削る」「管理員にも適切な教育を実施しないし、給与も大幅にカットする」
・そして、大規模修繕工事の時期になったら、自分たちで工事を高値で受注し、従来の赤字分を一気に回収しようとします。
・理事会はそのような管理会社に不満を抱きながら、苦情や改善を申し入れいるのですが管理会社は上記の理由できちんとした対応ができません。そのままうやむやになっているうちに1年の任期が終了し、問題点は全て次期役員に引き継がれて毎年同じことを繰り返します。

3.解決策

管理会社を変更すれば全てが解決するわけではなく、本当は「自分たちが適正な管理について見直す」ことが一番の解決策なのです。しかし、原因は全て管理会社であるという発想になって管理会社を変更することに頭がいってしまいます。
最近は週刊誌やマスコミで管理会社の悪徳振りが強調されることもあって、管理会社を変更する組合が増えていますし管理会社も他社からの変更を視野に入れた営業に力を入れているいわゆる「独立系管理会社」もあります。
しかし、実際に管理会社の変更となると、管理組合自身で実施する場合は大変な作業や知識が必要になり、また管理会社の抵抗などもあって困難を伴います。

4.効果

私見としては管理会社を変更しても管理組合がしっかりしないと、「元の木阿弥」になってしまう可能性が高いと思います。変更当初は管理会社も一生懸命管理を実施するので当面は良くなるのですが。。。
また、管理会社を変更する一連の作業の中で管理組合も勉強し、また結束感ができる場合も多いのでそのことは大きな財産になります。

事例紹介

1.はじめに

私は30年ほど「建築業界」にいました。建築業界も他の業界と比較したらお世辞にも近代的な業界とはいえません。しかしマンション管理士になってこの世界に入って感じたことですが「管理業業界」もお世辞にも近代的な業界とはいえないことに気がつきました。
特に担当者(フロントマン)のいい加減体質にはあきれるものがあります。
しかし、「管理会社はいい加減」というだけでは問題は解決せず、やはり管理組合や理事会の自主性が大きなウエイトを占めることが最近わかってきました。
今回は実際に管理会社を変更した管理組合の取り組みについて守秘義務に触れない範囲でお話いたします。

2.マンションの概要

ア)所在地 千葉県内単棟型マンション
イ)規模   200戸程度
ウ)歴史   築30年経過
エ)理事会 1年輪番制 月1回開催

3.現状

このマンションは築30年を経過していますが、分譲当初から現在の管理会社が管理を実施していたわけではありません。
数年前に分譲会社系の管理会社が業界から撤退する際に下請けの管理会社が引き継いだものです。
このマンションも現在では管理に対する意識がかなり高くなっていますが当時はそれほどではなかったようです。
いわゆる管理会社の言いなりで会計や出納に関してもかなりいい加減な業務が実施されていました。
私が分かる範囲で過去の調査をいたしましたが問題点を挙げてみると

ⅰ)管理費と修繕積立金の会計が分別されておらず同じ「どんぶり」で管理されている。
ⅱ)期末の預金残高と帳簿(元帳)の金額が違う。
ⅲ)支払関係が管理組合の決済を受けないまま管理会社の判断で実施されている。
ⅳ)滞納に対する督促業務がいい加減で未収金が増えるばかり。
ⅴ)リース契約や委託契約の契約書がないまま実施されたり、契約先が不明朗な契約があった。

など、数えたらきりがないほどでした。

2年前の理事会でこのことに気づき管理会社を追求しましたが明確な回答もなく理事の不信感は募るばかりです。
そして日常の管理についてもいい加減な対応が続き改善を申し入れましたが一向に改善されません。
この管理会社の委託業務費は決して高くないことと管理員さんの評判がいいこともあって一般の区分所有者は管理会社に対してそんな重要な問題だと思っていなかったことがさらにこの問題を長期化させることになりました。
理事の不満が続く中、そのうち1年の任期が終了します。結局理事はくたくたになって次の理事に引継ぎ、引き継いだ次の理事がまた苦労することになります。
しかし、今年の理事は管理会社のそのような対応に対して断固として立ち向かいました。

4.管理会社変更の決意

今年の理事会は、前年度理事会から管理会社に関する問題点を十分に聞かされていましたので、当初から管理の適正化について真剣に取り組みました。
そして、従来の自動更新方式になっていた「管理委託契約書」を国交省のモデルに則り変更し、自動更新を排除、そして設備管理や清掃業務についてもきちんと仕様を決めて再契約を実施しました。
さらには管理費等の出納方式である「支払一任代行方式」における問題点も指摘し、新たに管理組合保管用の口座を作るなどして管理の適正化と財産の保全をまず実施しようとしました。

私もお手伝いしていましたので管理組合サイドで実施可能なことについてはかなり改善しましたが、管理会社がやらなければならないことが一向に実施されず、思い余った理事会は管理会社の社長まで呼んで現在までの理事会としての不満事項を申し上げ改善を求めました。
管理会社の社長は改善を約束して帰られましたがその後も一向に改善されませんでした。
管理組合によって抱える問題がそれぞれ違いますので管理会社に要求する事項も当然違います。
このマンションにおいては「高経年マンションであること」「管理費の滞納額が多いこと」に関することなどが主な項目ですが守秘義務の関係上これ以上書けません。ごめんなさい。
そして理事会は管理会社を変更した方がいいとの結論に達し行動に移すことにしたのです。

5.具体的な進め方

まず理事会で進め方を検討します。

ⅰ)談合を防ぎ、区分所有者に無用な不安や心配を起こさせないため、ある時期までは秘密裏に進める。
ⅱ)しかし、ある時期を境に区分所有者に情報を公開し透明性を高める。
ⅲ)候補の管理会社は5~6社程度リストアップする。
ⅳ)分譲系、独立系にはこだわらない。
ⅴ)大手、中小にはこだわらない。
ⅵ)管理員さんは評判がいいので引き継いでもらいたい。
ⅶ)理事会で絞り込んだ段階で、区分所有者に対して公開プレゼンテーションを実施する。
ⅷ)次期通常総会に間に合えば理想的だがあせらずに実施し、場合によっては臨時総会を開催する。

などの方針を決定しました。

最初の候補6社については理事の方の推薦や希望、更には私の経験上推薦できそうな業者の中から6社を選定しました。業界最大手や話題の独立系、修繕に強そうな会社や、資本金は少ないが会社内容がいい老舗会社などバラエティーに富んでいました。

そして見積用の統一仕様書を作成し各社に見積を依頼しましたがさすがに各社ともすぐに飛んできました。その後提出された各社の見積を一覧表にして検討すれば基本的な仕様が統一されていますので簡単に検討できます。それでも「基幹事務」や「清掃費」「管理員業務費」などは各社結構バラバラでした。
でもトータル価格は一番高いところと安いとことで15%程度の差しかありませんでした。
理事会で価格その他を検討し4社に絞込み、そしてその4社で公開プレゼンテーションを実施することにしたのです。

前にも述べたとおり多くの区分所有者は理事会が苦労していることは分かっていても管理会社を変更しなければならない事態までいっているとは感じていません。いきなり「管理会社変更」を総会議案として唐突に提出することは避けたいと思いましたので事前に広報で「管理会社変更の検討中」であることを知らせ、その後公開プレゼンテーションを実施しました。公開プレゼンテーションにはあまり多くの区分所有者は参加してくださいませんでしたが、それでも参加者からは積極的な意見や質問も出てやはり実施してよかったなと思いました。
その後、理事会で管理会社を変更することを決議し、再度広報で「管理会社変更の理事会決議・4社の中から絞り込んで臨時総会開催」をお知らせしました。
タイムリーに広報を活用することは重要で効果があります。広報には「ご意見やご不明点がある方はお申し出下さい」と書いていましたがその申し出もありませんでした。

そして理事会では4社中2社に絞込み、次回の理事会で最終ヒアリングを実施することにしました。
最終的に残った2社は大手で、理事会でも甲乙つけがたいプレゼンテーションでした。そこで理事会は最終的に若干価格が安く、また取締役まで理事会に出席した意欲を評価して1社に絞り込んでのです。

6.臨時総会の開催

いよいよ臨時総会開催の日です。
事前に広報で区分所有者にはいろいろな情報を公開していましたので総会での異論や反対意見は一つも出ませんでした。
それどころか、「理事会は長年の問題を解決して頂きありがたい。」という意見が多く出ました。
また、「当マンションはマンション管理士を顧問として起用しているので管理組合、マンション管理士、管理会社が役割を明確にしていいマンションにして頂きたい。」という建設的な意見も出ました。
当然総会では全会一致で管理会社の変更が承認されました。

7.引継業務

管理会社の変更が確定したら次に待っている業務は管理関連の引継業務です。
実はこれが一番大変なのです。私がいつも苦労するのはこの部分です。もともといい加減な管理をやっているので「書類」や「共用部分の鍵」などに関する重要な記録が残っていない場合が多いのです。
更に変更される管理会社はモチベーションが低下しているので新しい管理会社との引継が順調に行くとは限りません。

引継に必要な確認業務は30~40項目はあります。

今回の場合は旧管理会社が紳士的に対応してくれたので何とかうまく進みましたが、私が経験した他のマンションでは旧管理会社が全くいい加減で約束を実行しなかったり必要な書類を提出しなかったりして大変な思いをしました。
管理会社を変更したあとにこの業務をきちんと完了させることが最も重要なことです。
はっきりいってこれはマンション管理士等の専門家がいないと厳しいと思います。

8.おわりに

前述したとおり、管理会社と管理組合のトラブルは一方的に管理会社だけの問題ではありません。
管理会社の必要以上の値引き競争によるサービスの低下や、管理組合の何でもかんでも管理会社に押し付けようとする体質などが複雑に絡み合ってこの問題をややこしくしています。

私が思うには管理会社は管理組合に有益な情報やノウハウを提供できないのではなく、提供できるノウハウなどは持っているけれども、現状の厳しさの中ではそれが出来ないといったほうが適切だと思いました。
管理組合がしっかりして「管理会社と役割分担をうまく実施する。」または「管理会社の本来の能力をうまく引き出す。」ようになると本当の信頼関係が構築できると思いました。

なお、管理会社変更のプロセスを、写真付きで順を追って詳しく説明したページを別途アップしています。よろしければそちらもご参考になさってください。

参考情報

管理費削減の手段として管理会社変更を行うケースもよくありますが、管理費削減どころか管理費アップを選択した事例もあります。

また、以下は、管理会社から「管理委託契約解除通知」が届いたという極めて希なケースです。
実際に私重松が2004年の暮れまで顧問契約をしていた実在のマンションをモデルに、自主管理に至るまでの課程を綴りました。

実績・事例・インタビューは...

重松マンション管理士事務所ホームページ」の中の「実績・事例・インタビュー」をご覧下さい。

管理会社変更業務については...

重松マンション管理士事務所ホームページ」の中の「管理会社変更」をご覧下さい。

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