[ カテゴリ:区分所有法第59条競売大作戦 ]
私は、マンション管理士として区分所有法第59条のことは当然知っていましたが、それを実施した具体的事例は勉強不足で良く知りませんでした。
その後、判例集等を調べましたが、比較的件数が乏しく、しかもそのほとんどが「暴力団を排除する場合」でした。
今回のように、管理費等を滞納している区分所有者で、「支払う意思が全くない」、「連絡が取れない」、「差し押さえる財産が見つからない」、「勤務先も不明」、「マンションは抵当権だらけ」というような悪質な区分所有者に対しては、普通の方法ではどうにもならないと考えていましたが、区分所有法第59条を適用して解決できる可能性があるとは思っていませんでした。取り敢えず「時効の中断」しか有効な手立てはないのか…?と考えていました。
しかし、業界関連の新聞や雑誌で、悪質な滞納者に対して区分所有法第59条の競売を請求し、それが認められたという判例を知りました。しかも、そのマンションに抵当権が設定されていても、普通の競売のように「無剰余取消」にはならないとの画期的な判決でした。さらに第1審は、地元の千葉県の裁判所での判決です。このことには、私も管理組合の理事長も勇気付けられ、「何とかやってみよう。しかも自分達で!」というところから始まりました。
今回は、私がお世話になっている管理組合で、区分所有法第59条を適用し、自分達で苦労しながら、どうにもなりそうにない滞納区分所有者を訴えたときの成り行きをストーリー風にまとめました。
ストーリーはすべてノンフィクションですが、守秘義務の関係等もあり固有名詞は仮名にしてあります。…(つづく)
(重松 秀士)
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(お知らせ&日記:2006年04月30日 14:17)