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2003年06月01日  [ カテゴリ:法律・財務などのソフト分野 ]

ペットの問題は昔は「ペット飼育をしている規約違反の区分所有者についての対応」でしたが、最近は「ペット解禁にする為の手続」が多くなっています。
ペット問題は「飼育そのものの禁止」から「飼育マナーの問題」へと変化しています。

ペット問題について

マンションにおけるペット問題は永遠に解決しないテーマと言われる方も多くいらっしゃいます。
滞納や騒音問題のように住民の生活に直接大きな影響を与えないからかもしれません。
しかし、義務違反者が滞納や騒音問題を引き起こした時に「何で私だけが言われるのか。ルール違反してペットを飼っている人たちのほうが多いではないか。」と開き直られたら管理組合も困ってしまいます。そこで最近の勉強会や相談会での報告を兼ねてご報告いたします。

一般的な統計

ア)平成11年マンション総合調査(対象は約2,000組合)

・ペット禁止のマンション        54%
・条件付でOK              28%
・無条件でOK               1%
・特に規定なし              10%  (多分、ペットを飼っている人がかなりいると思います。)

イ)最近の新築マンションの傾向

条件付を含めると約70%がペット飼育OKのマンションです。
条件には    ・ペットクラブを作り強制加入させ、厳しいルールを作る。
         ・1世帯あたりの数や種類を制限する。
         ・体重制限(15kg以内又は20kg以内)などです。

2.ペット解禁の流れ

ア)阪神淡路大震災から

先の大震災の後、被災者の中にペットを心の支えてとしている方が多いということで、1997年に自治体として始めて神戸市が「ペット飼育可」の賃貸住宅を建設しました。
その後、流れは民間にも急速に波及し、ペット対応マンションが続々と登場するようになりました。

イ)民間のデベロッパー

・前述したようにこれからはマンション販売競争が厳しい中で「ペット不可」のマンションは売れ行きが悪くなるとのことです。中古物件を扱う宅建業者でも「ペット絶対不可」のマンションを希望されるお客様より「ペットOK」のマンションを希望されるお客様のほうが現在では多いようです。
・又、管理会社の立場から考えても、「ペット不可」のマンションは分譲後にペットに関する苦情が管理会社に殺到し、その対応だけでもかなりエネルギーを費やすとのことです。
つまり、禁止にしていても飼いたい人は規則を無視して飼っているそうです。

3.過去の裁判事例

ペットを巡るトラブルはどんなマンションでも発生していますが、裁判まで発展した例は調べましたがそれほど多くありません。しかし裁判結果は現在のところいずれも飼い主側が敗訴している場合がほとんどです。

・平成2年10月 大阪地裁

マンション入居者のバルコニーにおける犬の飼育により悪臭等の被害が発生しているとして、マンションの管理組合が区分所有者(会社)及び使用者(同社の従業員)に対し求めた犬飼育禁止確認等の請求が認容された。

・平成3年12月 横浜地裁

マンションでの犬飼育禁止を定めたマンション管理組合の規約は、一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすとはいえないとして、犬の飼育禁止を命じた。

・平成6年8月 東京高裁

マンション内での動物の飼育について、具体的な被害の発生を問わずに一律に禁止する規約が当然には無効であるとは言えないとされた。 マンションン内での犬の飼育禁止を定めた規約に改正される以前から犬を飼育していた区分所有者に対しても、当該規約の改正が特別の影響を及ぼす場合に該らないとされた。

・平成7年11月 東京地裁

区分所有者からマンションの1室を使用借している占有者が、数年間にわたり野鳩の餌付け、飼育をしておびただしい数の野鳩が飛来するようになったことについて、管理組合による使用貸借契約の解除と占有者の退去及び占有者に対する200万円の不法行為に基づく損害賠償金の支払が命じられた。 *本件はマンション管理士試験の題材にもなりました。

4.ペットを認める場合の条件について

おおむね下記のような条件で許可しているようです。

・登録制にして実態が把握できるようにする。(ペットの写真提出義務がある組合もあります。)
・予防接種、避妊手術など必要な措置を義務付ける。
・飼育ルールを明確にして飼い主のマナーを向上させる。
 ペットクラブの設立
 ペット飼育負担金の徴収(月500~1000円)→後に修繕積立金に充当
 ペット飼育に関する講習会の開催など
・保険への加入

最近ではマンション総合保険の個人賠償特約にペット保険がついている商品もあります。例えばペットが通行人に噛み付いて怪我をさせたときなどに適用されます。蛇足ですがペットが飼い主に噛み付いた場合は補償対象外です。

5.ペット解禁への手続きについて

ア)管理規約の改正

ペット飼育を解禁するには管理規約の改正が必要ですが、多くの管理組合では規約ではなく使用細則で曖昧に規定している場合が多いようです。
使用細則の改正は一般的には過半数決議で可能ですが、改正された使用細則が不安定なものになり、後日反対派によって又 使用細則が改正されることにもなりかねません。
かなりのエネルギーを要しますが、やはり3/4の賛成をもって管理規約を改正し、ペット飼育を解禁することが正攻法だと考えます。

イ)具体的には・・・

・アンケートの実施から始める
まずは実態調査を行う。そしてペット嫌いの人たちにも配慮して、できれば最近のペット解禁の流れや、ペットを必要としているお年寄りや、子供がいない家庭の人たちのことも理解してもらえる工夫をする。
・反対者の方たちにも理解してもらえるルールや運営方法を提示しながら、「ルールを守るならOK」という人も含めて賛成票が3/4を超えるかを見極める。
・できることならペットを飼っていない方にリーダーシップを発揮してもらい運動を行ったほうが反対者の理解を得やすいと思います。

6.最後に

・ペット問題は単棟型のマンションより団地型のマンションのほうが多いようです。なぜなら単棟型はマンションの外に出たらそこはもうマンションでなくなりますが、団地型はマンションの外に出てもそこはまだマンションの敷地であり、そこで糞を撒き散らされると結局はマンションの皆が不快な思いをするからです。
・又、多くの管理組合の話を聞いているとペット好きの人は何とか管理規約を改正したい、ペット嫌いの人は禁止の規約を厳守するよう徹底させたいとそれぞれ思っているようです。しかし、そのことで管理組合内部の人間関係が悪くなることのほうが問題なのでそれぞれペットに関しては我慢しながら曖昧にしているのが実態でした。

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