業界トップクラスの実績を持つ千葉のマンション管理士 事務所所長 マンション管理士 重松秀士が、マンション管理 コンサルタントならではのお役立ち情報をお届けします。 携帯版
重松マンション管理士事務所にとって、今年は大規模修繕工事の当たり年で、顧問先を中心に現在5件の大規模修繕工事コンサルティングを行っています。
そこで今回は、建設業界では当たり前となっている「談合」について少しお話したいと思います。
建設関係の業界に長年勤務した私が申し上げるのも心苦しいのですが、管理組合がコツコツ貯めた修繕積立金を不正な手段で業者に持っていかれることは許しがたいことです。また、組織的な談合がなくならないのは大変悲しいことです。
追記(注意) 2017年1月には、国土交通省からも、設計コンサルタントの活用に関する通知が出ています(大規模修繕工事の不適切コンサルタントについて(国土交通省からの通知について))
談合がなくならないことについて考えられる理由はいくつかありますが、
ですから、「談合をさせない見積取得の方法」や、「談合を見破る専門的な知識」が必要となってきます。
つまり、建設業界に談合はつき物であると最初からそのように考えたうえで、設計業者や工事業者と付き合う必要があると理解した方がよいと思います(談合をしない業者が存在しないわけではありません)。
以下、私が経験したいくつかの事例をご紹介します。
↑ これは、管理会社が音頭をとって談合が行われたと思われる事例です。
事業スタイルは、CM方式といわれるもので、管理組合が工事業者を選定し、工事業者は、管理会社の下で工事を行い、設計(仕様等の決定)と工事監理を管理会社が行うという方式です。
元請は管理会社ですが、管理組合が工事業者を選定するので業者に対する発注価格と管理会社に支払う監理報酬がオープンとなり、透明性が高く、且つ工事に対する全ての責任は元請となる管理会社が負うので管理組合も安心できる発注方式というのがうたい文句です。
ところが、見積を取得する工事業者のリストアップ等は全て管理会社が提案し、いわゆる「管理会社主導」で行われました。
その後、工事業者からの見積取得作業が行われましたが、ご覧のようにほぼ横一線に並んだ価格が提出されています。
また、これだけの工事金額の割には見積を取得した業者数が3社というのも少ない気がします。
この一覧表を見た当時の理事長が疑問に思い私の事務所に相談に来られたのがきっかけでした。
↑ これは、設計事務所が音頭をとって談合がおこなわれたと思われる事例です。
この管理組合は、大規模修繕工事の事業スタイルを「設計監理方式」で進めることを決定し、設計事務所も公募で選定しました。
そこまでは順調に進んでいたのですが、ところがその後、新聞で公募した工事業者8社から見積を取得したのですが、ご覧のとおり設計価格に対して83%〜100%の間で横並びの金額がでてきました。
いろいろな事情があるので、ここではあまり詳しいことまでは書けませんが、私の詳細な分析によると、設計事務所が設計価格を業者に漏洩して談合が行われたことは間違いありません。
私は、談合が行われたことを理事会に報告・進言し、上記の8社は当然に全社失格となりました。
↑ これは、談合が行われなかった、又は談合が不成立に終わったと思われる事例です。
これも「設計監理方式」で、事業を進めることで決定していた物件です。
新聞で公募したら、応募した工事業者は20社近くあり、その中から9社を選定して見積依頼をしたものです。
私の分析によると、当初は談合を行う予定で募集した業者も結構いたはずです。
上記のH社やI社など、ほぼ設計価格に近い金額で提示してきた業者はたぶん談合目的で応募してきた業者です。
管理組合は、当初予定していた予算に近い金額で見積を提出した上位3業者(A〜C社)を呼んでプレゼンテーション(ヒアリング)を実施もらうことにし、最終的なネゴシエーションの結果38,325,000円(設計価格の68.6%)を提示した業者と契約しました。
この物件も私のマンション管理士事務所が計画当初からかかわっていたものですが、談合をされずに適正な価格で発注できた事例です。
理事会や修繕委員会には大いに感謝されました。
談合をさせない、又は談合を見破るにはそれなりの知識と経験が必要なので、一般の管理組合では大変だと思います。
談合されないための工夫としてはいくつか考えられますが、その中から幾つかのポイントをご紹介いたします。
大規模修繕工事等の設計コンサルタントの選定について
大規模修繕工事の不適切コンサルタントについて(国土交通省からの通知について)
みなさんのマンションではいかがでしょうか?
現在大規模修繕工事に向けて準備中の管理組合の方々は、是非見直してみてください。
なお、上記ポイント等を見て、
という疑問を持たれる方々もいらっしゃると思いますが、、、個々のケースによって一律に申し上げられない部分であったり、専門知識や経験、ノウハウなどが必要な部分でもありますので、ご興味がある方は私のマンション管理士事務所にご相談ください(重松マンション管理士事務所では、管理組合から受け取る報酬のみで事務所を運営することを決め「ノーリベート宣言」をしています)
またご興味のある方は、併せて、こちらのページもご覧ください。
大規模修繕工事等の設計コンサルタントの選定について
マンション大規模修繕工事における談合の実態について(2)
大規模修繕工事の不適切コンサルタントについて(国土交通省からの通知について)
事例2のように、戸数が多いマンションでは、工事金額も億単位となります。これで談合をやられたら数千万円単位で損害を受けることにもなりかねません。
しかし、上記事例3を見ていただいてもおわかり頂けますが、重松マンション管理士事務所が主体となって適正な方法で設計業者や施工業者を選定し、交渉するだけで、大幅な工事金額の減額が出来ることは珍しくありません。
※工事金額の減額は、あくまでも適正な方法で業者の選定や交渉をした結果のことですので、減額のみを目的に行うことはありません。管理会社変更や管理費削減などでも同様ですが、闇雲に買い叩いたりすれば、モチベーションやサービス、品質の低下などに繋がり、そのツケが自分自身に跳ね返ってきてしまうからです。
何千万、何億という莫大な修繕積立金は、多くの理事にとって非現実的で、あまり実感のないお金だと思います。
実際には、区分所有者一人一人がコツコツと積み立ててきたものにもかかわらず、個人の貯金と違って自分のお金だという意識が希薄になりがちなのは、税金と同じですね。。
ゆえに、組合員の意識も低く、理事会も何となく「まぁいいか」でやってしまうことも多いと思いますが、大切な修繕積立金を最大限に活用するためには、まずは適正な方法で設計業者や施工業者を選定していくことが重要であり、そのために、大規模修繕工事のコンサルティング経験やノウハウを持ち、工事業者としがらみがない公平中立な立場を保っているコンサルタント(=マンション管理士)をじょうずに活用するのが一番良いと私は思います。
最近、修繕積立金不足で悩み、コスト意識に目覚めた管理組合からの相談も増えていますが、マンションの区分所有者一人一人が長年かかって積み立ててきた大切な修繕積立金を、「談合」という不当な手段で無駄に失うことが無いよう、私も今後益々頑張って行きたいと思います。
※談合が起こる原因やその対策など、新しくまとめたページを公開いたしました「大規模修繕工事コンサルティング」に関する詳しい内容や当事務所の考え方などは、私のマンション管理士事務所 ホームページや特別ページをご覧下さい。
大規模修繕工事コンサルティング(業務案内)
大規模修繕工事サポートネット(特別ページ)
談合を阻止し3000万円安い発注を実現!理事会運営や資金計画までサポート(大規模修繕工事事例インタビュー)
2000万円の大幅コストダウンを実現!管理組合の法人化や法人管理規約の新設も(大規模修繕工事事例インタビュー)
マンション管理コンサルタント マンション管理士 重松 秀士(プロフィール| )
資料請求 無料相談・お問い合わせ マンション管理士事務所
マンション管理一筋! 業界トップクラスの実績、充実の設備と支援体制が自慢の重松マンション管理士事務所の詳しい業務については、マンション管理士事務所HPをご覧下さい。
「マンション管理相談」「顧問契約(管理組合顧問)」「大規模修繕工事コンサルティング」「建物診断・長期修繕計画作成のサポート」「管理規約の改正」「管理費削減」「管理会社変更」「管理費滞納」「理事長代行」「マンション自主管理サポート」「簡易ホームページ作成・運営支援」など、各業務に関する詳細の内容や各業務の「資料請求」、「スタッフ紹介」や「お客様インタビュー」などをご用意しています。
コメント
▼コメント投稿フォーム
※可能な限り頂戴したコメントには返信するように努めておりますが、必ずしも返信できる訳ではありませんこと、あらかじめご理解の上ご投稿ください。
※無料相談をご希望の方は、お問い合わせフォームからお願いいたします。