業界トップクラスの実績を持つ千葉のマンション管理士 事務所所長 マンション管理士 重松秀士が、マンション管理 コンサルタントならではのお役立ち情報をお届けします。 携帯版
重松マンション管理士事務所が顧問契約している都内のマンションで、第3回目の大規模修繕工事をやっています。
築三十数年たったこのマンションでは、今回は定番の屋上防水、外壁塗装、鉄部塗装などに加え、玄関扉の一斉交換を行いました。
私も玄関扉の交換は初めてなので大変参考になりました。
玄関扉の交換は、長期修繕計画書では一般的に35年程度で実施することになっていると思います。
このマンションもちょうどその時期でした。又、金額は普通品であれば1箇所に付き15万円~20万円くらいだと思いますが、今回は少々グレードの高い扉を選定したので1箇所30万円近くかかりました。
玄関扉を交換すると、マンションのイメージがかなり変わり、今までと違った高級感なども出てきますから、予算があれば是非やりたい工事項目です。
工事自体は、なれた職人さんがやれば、既存扉の取り外しから新しい扉の取り付け完了まで約3時間~5時間です。
しかし、この工事をスムースに行うには、とにかく「段取り」だと感じました。
工事前には、全ての住戸(このマンションでは約90世帯)の開口部の原寸を調査して、工場で製作する際のデーターをまとめます。
工事中も、居住者には在宅していただく必要があるので、そのスケジュール調整も居住者の希望を確認しながら綿密に計画する必要があります。
又、最後の鍵の受け渡しも、安全上の観点から原則として区分所有者に手渡しを行います。
管理人さんや賃借人が受領する場合は、委任状をいただいて引渡しを行っていました。
現場での施工時間を短縮して、居住者にストレスをかけないようにすることは大切なことですが、そのためには事前の段取りと居住者の協力が大切であることをあらためて実感しました。
現在使用中の扉 チョーキングで表面に粉が噴いたような状況です。 また、機密性が悪くなっていることも問題視されていました。 | 枠を残して本体を撤去。 切断機を使用したので、このときにはかなりの騒音が発生しました。 |
既存の扉の枠を残して施工するいわゆる「かぶせ工法」です。 この穴は、新しいフランス落としの固定用です。 | 残した枠に、新たにさび止め塗装をしているところです。 |
さび止め塗装が終わったら、新しい固定金具(下地)を枠の内側に取り付けます。 | 枠と固定金具の隙間はこのスペーサーで調整します。 |
新しい枠です。 4方が一体化され、下枠はステンレス製です。 | 本体を吊り込む前に、開口部の直角や対角線の寸法を確認しています。 |
本体の吊り込みはあっという間に完了です。 丁番も耐震丁番が採用されていますので、地震が来ても閉じ込められることは少なくなります。 | これから錠の取り付けです。 |
この錠は上下のダブルロック方式 上下は同じ鍵で開きますが、オプションで上下をそれぞれ違うキーであけるようにすることもできます。 今回は、1戸に付き鍵を6本支給しました。 | ドアクローザーとのぞき窓の取り付け 玄関扉は防火区画を形成するので、「常時閉」が前提となります。 |
これは、ゴムパッキンを取り付けているところです。 接着剤を使って固定するのかと思っていましたが、押し込むようにしてセットしていました。 しかし、その後はきちんと固定されていて、手で引っ張っても取れませんでした。 | 扉の工事が終了したら、外壁との隙間にシール材を充填します。 |
できあがり! ワインレッドの高級感あふれる玄関扉に替わりました。 |
マンション管理コンサルタント マンション管理士 重松 秀士(プロフィール| )
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