マンションの建物や設備を長期間にわたり適正に維持・管理していくには思いつきの修繕ではなく、そのマンションの状況に応じた長期修繕計画を作成して、その指標に基づき管理していくことが重要です。
おりしも、国土交通省から、マンションの適正な維持管理には、適正な長期修繕計画の整備が重要であるとの記者発表があり、「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン、同コメント」が公表されました。
私も、多くの管理組合のお手伝いをして気が付いたのですが、長期修繕計画がきちんと整備されていない状態やひどい場合は長期修繕計画書がないような状況で、多額のお金を掛けてなんとなく修繕工事を実施している例に遭遇します。
たぶん、「あそこが痛んでいるから。。。」「もう10年経ったから。。。」「管理会社に言われたから。。。」などの理由で漠然と実施している例は少なくありません。
今回は、私のマンション管理士事務所で受託した長期修繕計画の作成サポート業務についてご紹介いたします。
私の事務所は改修設計の専門事務所ではありませんので、私自身が建物診断を行ったり長期修繕計画書を作成することはほとんどありませんが、今回は管理組合の特殊な事業により本格的なサポートをすることになりました。
私がお世話になっている管理組合では、数年前に第1回目の大規模修繕工事を実施し、設計監理を担当したコンサルタントが、工事の終了後に長期修繕計画書の見直しをやってくれる約束になっていたので建築工事のみを見直した簡単な長期修繕計画書がありました。
それとは別に、設備関連の業者に給排水管の調査を依頼して、調査報告書と設備関連の長期修繕計画書の作成を有償で実施しました。
更に、管理会社は独自のサービスとして、管理会社の基準による長期修繕計画書を作成して無償で提供しています。
しかし、各社の判断基準がばらばらで、修繕周期や修繕金額に統一性がなく長期修繕計画書のフォームも統一されていませんので専門的知識に乏しい管理組合は見てもさっぱり分かりません。
建物診断と長期修繕計画作成を専門としている業者を数社当り、3社の長期修繕計画書を精査して、見やすいように統合してほしいとのお願いをしましたが、どこの会社も「他社が勝手にやった物を、自社で見直して整備するのは困難で、最初からやり直したほうが良い。」との回答でした。私ももっともだと思いました。
専門業者に再度費用を払って実施するだけの余裕がなかったので、とりあえず管理組合が出せる予算の範囲内で長期修繕計画書の整備を重松マンション管理士事務所で実施することになりました。
それでも、今度は管理組合として今後30年間の修繕に対するひとつの指標が完成したので、日常の維持管理を含めて今後の方針などは決定しやすくなったと思います。
また、ご存知のとおり、法律の変更、物価の変動、税率の変更、生活水準の向上によるグレードアップなどに応じて、長期修繕計画の内容は変化していきますので、定期的(概ね5年)に見直しをすることが必要です。
| 屋上防水の劣化状況を確認中 この日は管理会社から建築担当者と 設備担当者を含み合計3名が立ち会いました。 | 私のマンション管理士事務所からは私と小林が立会い プロナーズの認定者も研修目的で参加しました。 |
| 長期修繕計画作成の概要書です。 十数ページにわたり、目的や計算根拠 などをコメントしています。 | 長期修繕計画書と収支グラフです。 これを見ると現在のマンションの資金に関する状況もすぐに分かります。 |
(重松 秀士)
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