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ホーム > お知らせ&日記(ブログ) > マンション管理士 業務日誌 > エレベーターのリニューアル(交換・改修)1〜交換時期や方法、工期、費用について

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2018年08月17日  [ カテゴリ:マンション管理士 業務日誌 ]

こんにちは。重松マンション管理士事務所所長の重松です。

近年のマンションにおいてエレベーターはなくてはならない設備の一つですが、メンテナンス(保守点検)も含めてコストがかかる設備の一つでもあります。
また、例外なくエレベーターにも耐用年数があり、メンテナンスのみで永久に使い続けることは出来ないため、いずれリニューアル(交換・改修)工事が必要な設備でもあります。築年が経過したマンションが増える中、築30年前後のマンションでは、まさに検討中のところもあるのではないでしょうか。

そこで、今回から二度に分けて、実際に当事務所が関わったエレベーターリニューアル(交換・改修)工事を基に、工事の進め方やポイントなどをご紹介いたします。エレベーターのリニューアルというと、大がかりでちょっと難しいと思っていたり、あまりコストダウン出来ないと思っている方も多いかもしれませんが、進め方や状況によっては、限られた予算で効率良く使用期間を延ばしたり、工事費用を抑えることも可能です。

エレベーターリニューアル(交換・改修)のきっかけは?

エレベーターのリニューアルに際し、まずその必要性が気になるところだと思いますが、きっかけは、概ね以下の4パターンに当てはまるのではないかと思います。

管理組合のエレベーターリニューアルのきっかけ

  1. 長期修繕計画に基づいて
  2. 生産中止や部品供給終了に伴って
  3. 経年劣化(トラブル・不調)に伴って
  4. 最新の安全基準適合や省エネ効果など

エレベーターのリニューアル時期はいつ?耐用年数は?

そもそもエレベーターの耐用年数はどのくらいかご存知でしょうか?
国税庁の減価償却基準(法定償却耐用年数)では「17年」とされてり、メーカーは概ね「20〜25年」と公表しています。

また、国土交通省の長期修繕計画に関するガイドラインでは、15年目に補修、30年目に取替え(リニューアル)が記載されています
私が拝見するマンションの長期修繕計画では、25年〜30年目に更新が計上されている計画をよく見ます。きちんと長期修繕計画が整備されたマンションにおいては、このパターンが最も多いのではないかと思います。

エレベーターの耐用年数・交換時期

  • 国税庁の減価償却基準(法定償却耐用年数):17年
  • メーカー公表の耐用年数:20〜25年
  • 国交省長期修繕計画に関するガイドライン:30年目に取替え(リニューアル)
  • 実際の長期修繕計画:25年〜30年目に計画されているケースが多い

※重松マンション管理士事務所で実際に確認したものに基づく

生産中止や部品供給終了が引き金になるケース

次のパターンは、メーカーによる生産中止やその後の関連部品の保存期間満了に伴い、「まだ何とか動いているが、この際リニューアルしよう」というケースです。この場合、想定外のため、長期修繕計画よりも早めのリニューアルになることが多い印象です。

なお、この場合、通常ならメーカーからその旨を伝える連絡が、何らかの形で届きます。
もし心当たりがないようでしたら、一度メーカーに問い合わせしてみることをオススメいたします

経年劣化(トラブル・不調)に伴うリニューアル

また、経年劣化によるトラブルが頻発してリニューアルに踏み切るパターンも見られます

当事務所においてはこのような事例はありませんが、耐用年数に達しない状況の場合は、言わば不測の事態で資金面で難しいマンションもあると思います。また、長期修繕計画に記載がない場合も同様ですので、もし長期修繕計画に記載がない状態でしたら、もしくは、その確認が取れていないマンションなら、エレベーターの耐用年数と共に、一度長期修繕計画をきちんと見直すことをオススメいたします

最新の安全基準適合や機能性、省エネ効果などを狙って(利便性や資産価値向上を考慮)

最近のエレベーターは性能が良く、どこのメーカーも、省エネ効果があることや、安全性に関する最新の法規に適合することが出来るというメリットを謳っており、中には営業マンが来るケースもあるようです。

当事務所においては、これが主目的となるリニューアル事例はありませんが、生産中止等の理由からリニューアルに至ったマンションにおいて、前述のようなメリットが、早めのリニューアルに拍車をかけているようにも感じています。

リニューアル工事の費用は?

気になるエレベーターリニューアルの費用ですが、当事務所が関わるマンションにおいては、リニューアルの内容に関係なく、1基当たり1,200万円〜1,500万円で計画しているマンションが多いようです。次回でご紹介する事例では、一基あたりの見積もりが800万〜1,200万でした。小規模なマンションでは特に、計画的に資金を積み立てておかないと厳しい金額ですね。

エレベーターリニューアルの費用(予算)

1,200万円〜1,500万円/1基で計画しているところが多い

※重松マンション管理士事務所の関係するマンションに基づく

リニューアルするお金なんてない!どうする!?

リニューアルというと前述のような費用がかかりますし、とても大がかりなイメージもあるため、やりたいけどお金がない・・・というところもあるかもしれません。

しかし、実際にはいろいろな方法があり(後述「リニューアル工事の進め方・種類」参照)、重要度の高い部分だけ実施することで、費用を抑えることが可能です。また、次回ご紹介いたしますが、競争原理を働かせることで、結構なコストダウンも見込めます

リニューアル工事の進め方・種類

一口にエレベーターのリニューアルと言っても、幾つかの選択肢があります。
大きく分けると「フルリニューアル」と「部分的リニューアル」の2通り、そして、細分化すると「①全撤去リニューアル」「②準撤去リニューアル」「③制御リニューアル」という3つの方法が一般的です。
分類にもいろいろな考え方があると思いますが、私なりに管理組合目線でまとめると以下のような感じになります。

リニューアル工事の進め方・種類

  1. フルリニューアル:既存のエレベーターを、全て交換して新しくする方法
    ※一般的に「①全撤去リニューアル」と呼ばれるやり方が該当します

  2. 部分的リニューアル:使えるものは継続使用しつつ、部分的に交換する方法
    ※一般的に「②準撤去リニューアル」「③制御リニューアル」と呼ばれるやり方が該当します
    ※上記②③に属さない、あるいは派生メニューのような形で、もっと限定的に、必要な部品のみ行うやり方もあります。この場合、段階的に必要な部品を交換していくというやり方が可能な場合もあります

①②③の違いは、大雑把に言うと「一度にどの部分をリニューアルするか」という「程度の違い」です。
エレベーターというと、真っ先に私たちが乗る部分(「かご室」などと呼ばれます)を思い浮かべるのではないかと思いますが、「かご室はリニューアルしない」という選択肢もあるのです。

①>②>③の順に大がかりな工事になり、時間もコストもかかりますが、それぞれの特徴やメリット・デメリット等を一覧表にしましたので、ご参考にしてください。なお、出来るだけ包括的にまとめたつもりですが、諸条件により変わる部分もありますので、目安として捉えていただければ幸いです。

 

フルリニューアル

部分的リニューアル

①全撤去リニューアル

②準撤去リニューアル

③制御リニューアル

概要

全て撤去し、最新のものに総交換

既設品のごく一部を残して交換

※建物に固定されている三方枠、敷居等

制御系の交換・機能追加が中心
三方枠やかご室等は継続利用

建築確認*1

必要

要確認
※必要な場合が多い

一般的に不要
※必要な場合もある

工期

製作:約120日
工事:約25〜40日

製作:約120日
工事:約15〜25日

製作:約90日
工事:約3〜15日

エレベーターが使用できない期間


(25〜40日程度)


(15〜25日程度)


(3〜15日前後)

コスト

メリット

  • 最新の法規に対応可能
  • 大手メーカーへの切替可能
    (例:三菱→日立)
  • 最新の法規に対応可能
  • 工事中の振動・騒音が少ない
  • 既存の三方枠と敷居を継続利用するため、工期短縮が可能
  • コストが安い
  • 既存の三方枠や敷居、かご室などは継続利用するため工期が短い
  • 必要に応じた機能を追加できる

デメリット

  • 工期が長くE/Vが使えない期間が長い
  • 工事期間中の振動・騒音が大きい
  • 工期が長くE/Vが使えない期間が長い
  • 既存の三方枠と敷居を継続利用するため、他メーカーの参入が難しい(他メーカーへの切替は要全撤去)
  • 交換しない部分について、別途検討・計画が必要
  • 最新の法規全てに対応できない場合がある(対応しきれない場合は「既存不適格」のままになる)
  • 交換しない部分について、別途検討・計画が必要

注意点

  • 既存の昇降路を利用するので、従来の積載荷重や定員を確保できない場合がある
  • 既存の昇降路を利用するので、従来の積載荷重や定員を確保できない場合がある

 

*1:「建築確認」とは、建築基準法に基づき、建築物などの建築計画が建築基準法令や建築基準関係規定に適合しているかどうかを着工前に審査する行政行為(Wikipedia

用語解説(三方枠/敷居)

油圧式エレベーターのリニューアル・制御リニューアルについて

ロープ式?油圧式? エレベーターの種類に注意!

エレベーターには、巻上モーターの回転速度を制御してかごを昇降させる「ロープ式」と、油圧ジャッキの圧力でかごを昇降させる「油圧式」の2種類があります(後述「2.ロープ式と油圧式」参照)。最近では、省エネや廃油処理その他機能上の問題から、新規の乗用エレベーターに油圧式を採用するメーカーはなくなりました(特殊仕様や重量運搬用など一部例外を除く)。

大手エレベーターメーカーで油圧式のエレベーターをリニューアルする場合は、「全撤去リニューアル」もしくは「準撤去リニューアル」が原則となります(メーカーによっては、油圧式からロープ式への部分的リニューアルは可能)。

油圧式エレベーターのリニューアルとなった場合、前表のように工事期間が長くなり、エレベーターが使えない期間も長くなります。1基しかない、逆に複数台あり改修費用捻出が困難、旧機器の撤去等で振動騒音が心配などと、頭を悩ます管理組合様が今後増えることも考えられます。

油圧式制御リニューアルとは

しかし、一部の独立系メーカーでは、油圧式エレベーターを、油圧式のままリニューアルする工法も開発しています。
「油圧式制御リニューアル」とも呼ばれていますが、主に制御盤、電動機、バルブ、ポンプなどの主要機器を更新し、その他は再利用する工法です。大手エレベーターメーカーからの部品供給停止はこれら主要機器のみが対象であり、その他の油圧ジャッキやかご本体までは経年対象ではないことから、工期や費用面で採用される管理組合様も増えているようです。

構造や電動機の容量などは変わらないため、スピードアップや省エネその他機能面の向上は期待できませんが、限られた予算かつ短工期でより長く延命させる手法としては検討する価値がありそうです。

ちなみに、ご利用のメーカーや機種によって、油圧式制御リニューアルが出来ない場合もあるようですので、見積取得の際には現場調査を依頼されることをオススメいたします

次回は、実際に「③制御リニューアル」を行った事例と、エレベーターリニューアル(交換)検討時に知っておくと良いポイントをご紹介いたします。

もっとよく理解したい人のための「エレベーター基礎知識」①

管理組合主導でエレベーターリニューアルを実施するなら、ある程度の知識は必要です。
そこで、今回から2回に分けて、エレベーターのリニューアルを行う上でよく話題になる、検討が必要になる部分を中心に、幾つかご紹介していきます。
次回は「3.エレベーターの安全性」「4.エレベーターの耐震性」「5.エレベーターの保守(メンテナンス)」について、ご紹介いたします。

1.運行速度

エレベーターの運行速度は結構話題となりますが、「m/分」で表記します。
一般的なマンションでは45m〜105m/分位でしょうか。定員も6〜11名程度です。マンションの階高を3mで計算すると10階建てのマンションなら1階から10階までを15秒から40秒程度で上がっていきます。
超高層マンションになるとこの速度が格段に速くなり、180m/分、積載量1,150〜1,300㎏、定員17〜20名前後が一般的な設計になるようです。

ところで、エレベーターの運行速度については日本の三大メーカー(日立、三菱、東芝)が凌ぎを削っており上昇速度では中国上海のビルに設置された三菱製のエレベーターが世界最速(1,230m/分)、下降速度では横浜のランドマークタワーに設置されたエレベーター(三菱製)が世界最速(750m/分)といわれています。

ちなみに、上昇時と下降時とで速度が異なっているのは、技術的な側面ではなく乗客の恐怖心からと言われています。
現在、日立製作所が中国広州のビルに設置する予定のエレベーターの上昇速度は1,260m/分でこれが近々世界最速となる予定です。時速にすると75.6㎞、富士山の頂上まで3分で到着する計算ですね。

2.ロープ式と油圧式

エレベーターにはロープ式と油圧式の2種類があります。

ロープ式は、人が乗るかごと釣合おもりがワイヤーロープで「つるべ式」に繋がっており、巻上モーターの回転速度を制御してかごを昇降させる方式です。
以前は、巻上モーターを設置する機械室を屋上に建築する必要があったので、建築基準法の高さ制限や斜線規制の影響を受けるため後述する油圧式が採用されることもありましたが、巻上モーターをエレベーターピットの最下部等に設置することが可能な「ルームレス」タイプの登場によりその問題が解消したので、最近では圧倒的にロープ式が多くなりました。

油圧式は、その名のとおり作動油を使用し油圧ジャッキの圧力でかごを昇降させる方式です。
油圧式の場合、下降時にはシリンダから油を抜くだけなので、圧力がかかるのは上昇時だけとなります。油圧配管さえ繋がっていれば、機械室を屋上に設置する必要がなく自由に配置することが可能です。そのため建築基準法の規制を気にせずに設計できるので、マンションでは分譲戸数の確保などにもメリットがあり、割と多く採用されてきました。
しかし、油圧ジャッキを使用しているため速度が遅いことや、設置階数にも限界があること、さらにロープ式と比較するとモーター出力が大きいことや、冬場には油の温度を上げる必要があるため消費電力はかなり多くなり、最近の「省エネ」には向いていない等のデメリットがあります。

そのような理由で、特殊仕様や重量運搬用の油圧式エレベーターを除き、新規に製造している大手メーカーはありません。

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