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ホーム > お知らせ&日記(ブログ) > マンション管理士 業務日誌 > エレベーターのリニューアル(交換・改修)2~制御リニューアル実施事例とポイント

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2018年09月08日  [ カテゴリ:マンション管理士 業務日誌 ]

こんにちは。重松マンション管理士事務所所長の重松です。

前回に続きエレベーターのリニューアル第二弾です。
今回は、実際に制御リニューアル方式でエレベーターのリニューアルを実施したマンション管理組合の事例を基に、検討・実施時に知っておくと良いポイントをご紹介いたします。

簡単なおさらい(3つのリニューアル方法)

前回、エレベーターのリニューアルは、大きく分けると「フルリニューアル」と「部分的リニューアル」の2通り、そして、細分化すると「①全撤去リニューアル」「②準撤去リニューアル」「③制御リニューアル」の3通りあることをご紹介いたしました。①全撤去リニューアル>②準撤去リニューアル>③制御リニューアルの順に、大がかりなリニューアルになります。
それぞれの特徴をまとめた表を一部抜粋して再掲いたします(諸条件により例外も出てくるので、目安として捉えていただければ幸いです)。完全版は前回記事をご覧ください。

 

フルリニューアル

部分的リニューアル

①全撤去リニューアル

②準撤去リニューアル

③制御リニューアル

概要

全て撤去し、最新のものに総交換

既設品のごく一部を残して交換

※建物に固定されている三方枠、敷居等

制御系の交換・機能追加が中心
三方枠やかご室等は継続利用

建築確認*1

必要

要確認
※必要な場合が多い

一般的に不要
※必要な場合もある

工期

約25〜40日

約15〜25日

約3〜15日

コスト

*1:「建築確認」とは、建築基準法に基づき、建築物などの建築計画が建築基準法令や建築基準関係規定に適合しているかどうかを着工前に審査する行政行為(Wikipedia

「制御リニューアル」実施のポイント

「①全撤去リニューアル」「②準撤去リニューアル」については新設工事とあまり変わらないため、今回は「③制御リニューアル」の事例に基づいてご紹介いたします。

【事例】神奈川県内マンションにおける制御リニューアル

  • 築年数:29年
  • 対象エレベーター数:2基
  • 検討開始から工事終了までの日数:約12ヶ月
  • リニューアル費用:約1,600万円(オプション込)
  • 工期:30日(15日×2基、※製作期間90日)
  • メンテナンス費用(契約):約7.5万円/月(フルメンテナンス契約)

【1】見積り取得時 〜競争原理を働かせてコストダウン

1)共通仕様書の作成+複数メーカーを加えての相見積り

よく、エレベーターのリニューアルには競争原理が働かないといわれます
理由は、他の商品のように複数のメーカーから見積りを取得することが難しいからです。

多くの管理組合は、現在設置してあるメーカーと価格交渉を行い、ほとんどが言い値で発注することになります。現メーカー以外ではリニューアルができないと考えるからです。また、大手メーカーの場合、他のメーカーに見積依頼をしてもまともに取り合ってくれなかったり、同様の高い見積書が出てきたりします。

そのようなことをなくすため、私は、共通の仕様書等を作成し、条件を整えたうえで、複数のメーカーから見積りを取得することをオススメしています。
その上で、各社の提案を含めて比較検討をすることはさほど難しくありませんし、競争原理が働きます。

エレベーターリニューアル工事仕様書と見積要領書

リニューアル工事仕様書(左)と見積要領書(右)

今回の事例では、エレベーター2台のリニューアル工事に関し、当初現メーカーが掲示した金額2,400万円が、最終的に1,600万円まで下がることに繋がりました。最安値を掲示したメーカーよりはまだ高かったものの、その差が少なくなったこと等の理由から、今回は現メーカーを採用することになりました。当初掲示された金額から大幅なコストダウンになり、管理組合様も非常に喜ばれていました。

エレベーター制御リニューアル見積り結果

ちなみに、今回は、結果として現メーカーを採用することになりましたが、リニューアルに際し、他社メーカーを採用したケースももちろんあります。また、大手メーカー製のマンションも多いと思いますが、大手メーカー以外を採用したケースもあります。多くのメーカーが、技術力の向上や組合形式による保証体制の強化などに取り組んでおり、一昔前に比べ、大手メーカー以外も検討しやすい状況になっていると感じています。

なお、分かりやすく「コストダウン」に焦点を当てているため誤解があるかもしれませんが、重松事務所では、管理費削減(管理コストの削減)や大規模修繕工事等と同様、一貫して「とにかく1円でも徹底的に安く」というようなことはしないスタンスをとっています。もちろんオススメもしておりません。問題にすべきは単なる金額の大小ではなく、製品やサービスの内容と支払っている金額が見合っているか(適正か)の判断が最初であり、それを抜きに過剰な要求や競争をさせれば、サービスや品質の低下等、結果的に管理組合に不利益をもたらすことにも繋がりかねないからです。

一方で、このブログでも何度か注意喚起している大規模修繕工事の談合は言うに及ばずですが、「コストダウンの余地があるケース」があちこちで見られるのも事実です。
重松事務所では、管理組合様の状況やご意向をふまえつつ、管理組合側のコンサルタントとしてそのあたりを見極めながら、必要に応じて相見積りを取るようご提案したり、共通仕様書の作成や交渉等を含めた実施サポートをするなど、大切な財産を守り、マンションの資産価値の維持向上に貢献できるようサポートしています。

見積り取得のポイント①

  • 共通仕様書を作成し、比較検討しやすいように条件を整える
  • 複数のメーカーから見積りを取り、競争原理を働かせる

2)メンテナンス費用の見積り(ランニングコストの検討)

見積りを取得する際に注意していただきたいのは、設置(工事)価格にばかり目がいってしまわないことです
本体の設置(工事)価格だけでなく、設置後の保守点検費用(メンテナンス費)も併せて見積もってもらい、ランニングコストも含めて検討することで、より良いリニューアルに繋がります。本体工事が安くても、その後のメンテナンス費用が割高であれば、長期間で見たトータル金額では逆転する場合もあります。

エレベーターリニューアル工事とメンテナンス費用のトータル金額推移

最初にメンテナンス費も確認しておくことで、正しい判断が可能になるのです

また、メンテナンス契約には、大がかりなものを除く部品交換費用をあらかじめ含めた形で契約する「フルメンテナンス(FM)契約」と、(一部の)Parts・Oil・Greaseの費用のみを含めて契約する「POG契約」があります(それぞれについては後述「5.エレベーターの保守(メンテナンス)」参照)。単純に金額だけを見ると前者の方が高くなりますが(今回のケースでは概ね1.6〜1.8倍程度高い金額でした)、どちらの契約が適しているかは、個々のエレベーターの状態やマンション事情をふまえて判断する形になります。

今回のケースも、制御リニューアル工事費用に加え、メンテナンス契約内容やメンテナンス費用等をトータルで比較検討し、最終的に現メーカーのフルメンテナンス契約に決定いたしました。

見積り取得のポイント②

  • メンテナンス費用の見積りも取得し、長期的視野で判断する
  • 金額だけでなく、契約形態(内容)を理解した上で検討する

3)その他注意事項

安さだけで選ばない
大規模修繕工事と同様ですが、継続してメンテナンスが必要になりますので、サポート等を含めた長期的視野での検討が必要です。
竣工時の書類も、あらかじめ確認
管理組合がデータをきちんと管理できるよう、竣工時に引き渡していただく書類等も、見積り依頼の際に指示しておいた方が良いでしょう。当事務所の場合は、①電気図面、②調整マニュアル、③エラーコード表なども提出してもらうことにしています。

【2】既存不適格への対応(建築基準法への適合) 〜何をどこまでやるか

エレベーターのリニューアルは、建築基準法への適合も考慮する必要があります。

「制御リニューアル」の場合は一般的に「建築確認」が不要ですが、「制御リニューアル」の範囲で現在の建築基準法にすべて適合させることは難しいので、「どこまで対応するか」という問題があります。今回のケースも、現状の仕様を確認した上で検討が必要な項目を洗い出し、検討していただきました。
安全性の問題などで必ず対応せざるを得ない項目と、費用対効果を考慮して検討する項目がありますので、以下にご説明いたします。

※「建築確認」とは、建築基準法に基づき、建築物などの建築計画が建築基準法令や建築基準関係規定に適合しているかどうかを着工前に審査する行政行為(Wikipedia

1)既存不適格とは

エレベーターが設置された当時は法律(建築基準法)に適合して設置されたものの、その後法律が改正されたために最新の法律に適合しなくなった状態を「既存不適格」といいます

法律が変わったらその法律に適合させなければならない(これを「遡及(そきゅう)」といいます)のが原則ですが、建物やエレベーターはそう簡単に適合させられないため、「現在の法律には不適合だけれども当時の法律には違反していないので認める(処罰はしない)」という考え方です
ですから、今回の事例のような「制御リニューアル」ではなく、「全撤去リニューアル」や「新設」等で「建築確認」を申請するときは、現在の法律に適合させる必要があります

既存不適格とリニューアルのポイント

  • 設置当時は建築基準法に適合していたが、法改正により適合しなくなった状態のことを「既存不適格」と言う。現行の建築基準法には不適合だが、処罰はされない。
  • リニューアルに際しては、単なる老朽化対策としてだけではなく、建築基準法への適合や資産価値向上の面も含め、どこまで対応するかを考慮する必要がある。
  • 「制御リニューアル」ではなく「全撤去リニューアル」や「準撤去リニューアル(要確認)」の場合は、建築基準法に適合させなければならない

2)安全性からの観点

数年前の竹芝の死亡事故以来よく話題となるのが「戸開走行保護装置」です。
この機能も含めてエレベーターの安全性については後述「3.エレベーターの安全性」もご参照いただければと思いますが、建築基準法で義務づけられている装置のため、リニューアルの場合は必ず対応しているようです。また、同様に建築基準法で義務づけられている「停電時自動着床装置」と「P波センサー」も、ほとんどの管理組合が対応しています。

安全面のポイント

  • 戸開走行保護装置(扉が開いたまま動作しないための対策)
    制御回路の故障等で扉が閉まる前にかごが動き始めた場合に、緊急で停止させる装置のこと
  • 停電時自動着床装置(停電対策)
    エレベーターの電源が停止(停電)した場合に、本体設置のバッテリーが作動し、最寄りの階に自動停止して扉が開放される装置のこと
  • P波センサー(地震対策)
    地震の初期微動(P波)を感知して地震時管制運転装置に移行させるセンサーのこと

3)耐震基準への対応

耐震基準の変遷については後述「4.エレベーターの耐震性について」にまとめましたが、最新の基準は東日本大震災を受けて改正された「14耐震」です

この「14耐震」では、本体の構造と構造計算方式を定めているため、適合させようとすると詳細な構造計算が必要となります。現行のメーカーであれば、設置した当時の構造部材のデーターを保管していますので比較的対応が容易ですが、そうでない独立系メーカーが対応しようとした場合、当時のデーターを持ち合わせていないため、それなりにコストがかかってしまいます
もちろん、計算の話だけでなく、釣合おもりが脱落しないような構造であることが求められますし、エレベーターの古さによっては、レールからのカゴ脱落防止策など「14耐震」以前の耐震基準への対応検討も必要になりますので、耐震基準対応については費用対効果を考慮して選択することになります。

耐震性対応のポイント

  • 最新基準では詳細な構造計算が必要で、独立系メーカーが対応する場合はコストがかかる。
  • 古さによって最新基準以前の検討も必要なので、費用対効果を考慮して対応する。

【3】その他の考慮機能や工事

建築基準法により義務づけられているものではありませんが、リニューアル時に付加する機能として多く採用されているものに「マルチビームセンサー」があります

ドア部にセンサーを設置することにより、ドア部を遮る障害物(手、足、買い物袋等)があるとその間は扉が閉まらないため、お年寄りや車椅子を利用している方などが安心して乗り降りすることができます。金額的にもリーズナブルな価格で対応可能です。

また、同様の目的のちょっとした改善として、かご内(エレベーター本体内)の手摺りや鏡の設置などもあります。

その他、昨今の新築マンションやオフィスビルではよく見かける防犯カメラの設置、照明器具を明るくする(天井部分の交換)、見た目をきれいにする内装・外装シートの交換(三方枠部分やかご室内外のシートの貼り替え)なども、オプションで対応可能な場合がほとんどだと思います。必要に応じてご検討いただくと良いと思います。

【4】工事期間中の対応 〜エレベーターが使えない時どうする?

工事期間中、エレベーターが使用できなくなる期間の住民対応は、あらかじめ検討しておく必要があります

エレベーターを全く使えない期間が生じる場合もある!

複数のエレベーターがあり、マンションも開放廊下型の場合は、順番に工事を進めていけば工事期間中であっても原則として1台のエレベーターは使用可能です。今回の事例でも、2台のエレベーターを順番に行うことで、工期はその分15日×2=30日となったものの、全く使えない状態がなく進めることが出来ました。

しかし、エレベーターが1台の場合や、複数であっても階段室型等のマンションの場合は、工事期間中はエレベーターが全く使用できなくなりますので、そのような時の居住者対策も検討しておく必要があります。

過去の案件では、「工事期間中は旅行に行ってしまおう」とか「ホテルに行こう」という方もいらっしゃいましたが、マンションそれぞれの階数や戸数、区分所有者の状況等々の事情がありますので、費用対効果の面も考えると「この方法が絶対!」というものはありません。

公平な対応策と徹底した周知を!

過去に実施した対応の一つとして「階段昇降補助(いわゆる「剛力さん」)」というものがあります。
管理組合が補助作業員と契約し、居住者の①階段昇降の補助、②買い物荷物等の運搬、③ゴミ出し支援等を行うものです。
契約人数、対応可能範囲等によって金額も異なりますので、どこまでをやっていただくかをあらかじめ決めておき、居住者に周知するなどしてみんなが公平に利用できる体制をとる必要があります

階段昇降ケア対策Q&A

また、Q&A集などを作って居住者に配布するとよいと思います。

大規模修繕工事や給排水管更新工事でも、工事内容やマンションの状況によってはイレギュラーなケース(不公平感が発生するケース)が発生します。特定階や特定の人達にのみメリットが(多く)生じる工事や、既に特定世帯では対応してしまっているようなケースです。
エレベーターリニューアルも、前述の階段昇降補助であれば、高層階の人や高齢の方、体の不自由な方、また、頻繁に昇降する機会がある方や小さいお子さんがいるご家庭、妊婦さん等ほどその恩恵を享受できるものですし、マンションによっては、1階居住者にはほとんどメリットはない(使用しない)設備ですので、その必要性や工事期間中の対応・騒音問題等も含め、様々なことに注意を払いながら、居住者全員に理解してもらえるように努める必要があります。

製品・メーカーによっては、完全停止期間ゼロで工事が可能

なお、三菱製エレベーターの一部(1990〜1997年頃製造された該当製品)や日立製エレベーターの一部(1986年以降に製造された該当製品)では、完全停止期間ゼロ(工事期間中、全くエレベーターを使えない日が生じない)で対応可能とのことです。

いかがだったでしょうか。
マンションの高経年化に伴い、これからはエレベーターのリニューアル工事が多くなって くると思いますので、みなさま方のご参考になれば幸いです。

もっとよく理解したい人のための「エレベーター基礎知識」②

前回「1.運行速度」「2.ロープ式と油圧式」に続き、今回の内容に関連した「3.エレベーターの安全性」「4.エレベーターの耐震性」「5.エレベーターの保守(メンテナンス)」について、ご紹介いたします。

3.エレベーターの安全性

落下や天井への衝突防止対策

昔の映画などでは制御不能となったエレベーターが急速に落下したり上昇したりして、私たち観客もハラハラ・ドキドキさせられましたが、それは映画の世界だけの話です。
実際は、電気的にはリミットスイッチが床と天井付近に複数設置されており、危険ゾーンをかごが通過してリミットスイッチが反応すると、電気的にブレーキがかかる仕組みになっています。また機械的には、かごとロープで繋がっている調速機(ガバナマシン)があり、かごが異常な速度で運行すると調速機の回転速度があがり、最後はかごに設置された「クサビ」が作動してエレベーターを強制的に停止させるようになっています。

停電対策

<停電時自動着床装置>
エレベーターの電源が停止(停電)した場合は、本体に設置されているバッテリーが作動し、最寄りの階に自動的に停止して扉が開放されますのでその間に降りる(避難)ことができます。その後、扉が閉まりかご内の照明も消えますが、電気が復旧すると自動的に運転を再開します。

地震対策

<地震時管制運転装置>
地震感知器が震度5弱以上の地震を感知すると、最寄り階に停止して扉を開放しますのでその間に避難することができます。
この場合は地震が収まっても自動復旧することはありませんので、専門の保安員がマンションに到着し、安全を確認してから復旧作業を実施します。ただし、最近は大きな地震でなければ監視センターから遠隔操作で復旧できる場合もあるようです。

なお、地震による揺れや地震感知器の設置場所などの関係から、「震度〇」でエレベーターが停止すると断定できませんが、概ね震度5弱程度で最寄り階に停止します。

<P波センサー>
一般的な地震感知器はS波(主要動)を感知して作動しますが、地震の初期微動(P波)を感知して地震時管制運転装置に移行させるセンサーです。地震の初期微動で作動しますので、閉じ込め事故がさらに少なくなります。

戸開走行保護装置

前述の竹芝での事故は、扉が開いたままエレベーターが動き始め、三方枠上部とかご床に挟まれて死亡してしまうという考えられないものでした。
この事故の後に建築基準法が改正され、制御回路の故障などで、全ての扉が閉まる前にかごが動き始めた場合に緊急で停止させる装置の設置が義務化されました。

4.エレベーターの耐震性

エレベーターの耐震基準は、現在は建築基準法等で規定されていますが、1971年以前は各メーカーの自主的な基準で製造されていました。
1972年に社団法人日本エレベーター協会が「昇降機防災対策標準」を制定し、①かごや釣合おもりレールから外れない対策、②巻上機や制御盤の転倒防止対策、③地震が発生した時の運行方法、などの基準を公表しました。これがエレベーターの公的な耐震基準の始まりとされています。その後、宮城沖地震、阪神淡路大地震、東日本大地震などを経て少しずつ変わっています。

81耐震

1981年に、財団法人日本建築センターが1972年の基準を更に具体的に規定した「エレベーター耐震設計・施工指針」を公表しました。その年の下二けたをとって「81耐震」と呼んでいます(以下同じ)。

98耐震

1998年に、財団法人日本建築設備・昇降機センターが「昇降機耐震設計・施工指針」を公表し、81耐震に加え、更に①おもりブロックの脱落防止、②懸垂機器の転倒防止、などについて基準を設けました。

09耐震

2009年に建築基準法施行令が改正され、テーマが、それまでの「製品の破損防止」から「人命最優先の確認・安全走行」へと変わっていきました。具体的には、①予備電源設置の義務化、②地震時管制運転装置の義務化、③戸開走行保護装置の義務化、④ガイドレール・レールブラケットの強化、⑤長尺物振れ止め対策強化、などです。

14耐震

東日本大震災のときに、エレベーターの釣合おもりの脱落が多数みられたことを受け、2014に改正された最新の耐震基準です。具体的には、釣合おもりが地震で脱落しないよう本体の構造と構造計算方式を定めました。また、地震に対する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算方法も規定されました。

5.エレベーターの保守(メンテナンス)

フルメンテナンス(FM)契約

意匠部品、その他かご、扉、巻上機一式等を除き、部品の交換も契約金額に含めて定期的にメンテナンスする契約方法です。

部品交換も含まれるため、後述の「POG契約」より割高となります。
交換の範囲はエレベーターを通常使用する場合において発生する摩耗・劣化に限るとされており、交換の基準はエレベーター会社の判断で行われます。

費用は、エレベーターのタイプやメーカー系か独立系か、また、契約内容により様々ですが、概ね4万円〜8万円程度だと思います。

POG契約

「Parts(パーツ)」「Oil(オイル)」「Grease(グリース)」の頭文字をとって「POG契約」といいます。一部の消耗部品の交換とオイル・グリースの補充は保守契約費に含むがそれ以外の部品交換は全て有償となる契約方法です。

費用は、こちらも様々ですが、概ね2万円〜4万円程度だと思います。

フルメンテナンス契約とPOG契約、どちらが良いのか?

マンション管理組合にとっては、どちらの契約が得かという議論はありますが、マンションの事情に応じて選択することになります。

「フルメンテナンス(FM)契約」の場合は、契約金額は割高になりますが、予算を立てやすく、長期修繕計画書に記載する修繕項目としては、かご内のリフォーム費やリニューアル工事費を一定の時期に計上しておけば済みます。
逆にPOG契約の場合は、契約金額は安くて済みますが、保守業者から部品交換の提案や見積もりを受けたときに、その妥当性などの判断ができず修理が先送りになったり、ロープ交換など思わぬ時に高額の費用を請求されたりすることもあります。

また、過去の事例では、POG契約のデメリットを解消したいので、途中からフルメンテナンス契約に変更しようという管理組合がありましたが、変更時に受託業者からかなり高額の初期整備費用を請求されることが判り、結局は断念したこともありました。

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