以前から申し上げているとおり、私は管理会社の変更を安易に検討することはあまりお勧めしていません。
理由は、新管理会社の選定作業や引継ぎに多くのエネルギーを費やすことや、管理会社を変更しても結局は住民が納得するサービスに改善されるかどうかは不明なのです。
ですから私は、管理会社の変更を考える前にまずお互いが納得できるまで話しあうようにお勧めしています。
しかし、最近は管理会社の受託コストや社内の事情なども影響して、管理会社から契約更新の辞退を申し出る場合もあります(まれに「契約解除」を通告されるようなケースもあります)。
私の相談の事例でも「管理会社の変更業務」はかなり増えています。
今回は、いろいろな事情があり管理会社を変更せざるを得ないことになった管理組合事例を基にして作成した管理会社の変更プロセスをご紹介いたします。(画像等は過去の複数の事例から引用しています。)
| まず理事会で見積もりを依頼する複数の管理会社候補を選定します。 選定の基準はそのマンションによりさまざまです。 マンションと会社の距離、管理戸数の規模、資本金、系列(独立系や分譲会社系)などです。 決して知名度や会社の規模だけで選定することはありません。 マンションで困っている事情や希望する項目なども十分に調査します。 私のマンション管理士事務所でご紹介する場合もありますが、多くは公募形式や指名方式をとります。 | |
| 理事会での方針が決定したら、各業者に配布する共通見積り仕様書を作成します。 仕様書には、管理規約、各種点検報告書なども添付したりします。 各社が同じ条件で見積もりをしないと、提出された見積書の内容を検討するのに時間がかかります。 | |
![]() | 見積もりを依頼する会社が多い場合は、一堂に集めて現場説明会を実施することもあります。 この場で十分に説明し、業者からの質疑も受けて回答することにより時間の節約も可能です。 |
| 私も、現場説明会で見積もりを行ううえでの留意点や注意事項を説明しました。 | |
| 業者からの見積書が提出されたら各社の見積り一覧表を作成し、重松マンション管理士事務所のコメントを付して理事会に提出します。 価格の高低はもちろんですが、管理組合が要望している内容を十分理解しているかどうか、勘違いや見積りもれはないかなどです。 見積書とは別に、マンション管理に対する管理会社の考え方などを簡単に書いてもらったりすることもあります。 ちょっとしたコメントにより、管理会社のマンション管理に対する考え方などがわかる場合もあります。 | |
| 再度理事会を開催し、最終の絞込みを行います。 多くの場合、数社に絞込みアンケートによる住民の意向確認を行ったり、絞り込んだ業者によるプレゼンテーションを行ったりします。 | |
| プレゼンテーション(業者による説明会)やアンケートを実施する際に一緒に配布する資料の作成も行います。 価格に関するコメントはもちろんですが、会社の内容、中間ヒアリング時の意気込み等、全ての項目が比較検討の対象となります。 | |
| このときは、最終選考に残った会社を対象として住民説明会を実施しました。 重松マンション管理士事務所のスタッフも受付その他のお手伝いです。 | |
| 住民説明会に参加した方に見ていただくための会社案内資料 管理に対する各社の考え方、管理員マニュアル、月次報告書のスタイルなどが閲覧できます。 | |
| これからの自分たちのマンションの管理をお願いすることになるかもしれない業者ですからみんな真剣に聞いています。 居住者からの質問は、掃除に関することや管理員さんに関することがどうしても多くなるようです。 逆に理事さんからの質問は、会社の対応やコストの面です。 このときは、住民説明会の後、投票による方法で1社に絞り込むことにしました。 大切なのは、理事会だけではなく組合員みんなで決めることです。 | |
| 理事会も、住民投票で一番多かった会社を候補として決定し、総会に諮ることにしました。 いつの時もそうですが、私も一番緊張する時間です。 | |
| 議案の説明の後、マンション管理適正化法第72条の規定に基づき「重要事項説明会」を開催します。 総会の前に実施する場合もありますが、このときは総会の議案説明の後に行いました。 重要事項の説明が終了してから、審議、質疑を経て裁決に入ります。 事前に、居住者の意思を十分に尊重し、しかるべき広報もしながら進めていたので全員一致に近い賛成多数で可決承認されました。 この後は、私も気持ちを切り替えて管理会社の引継ぎ業務にかかります。 しかし、この業務がもっとも大変です。 | |
| 理事会の委任を受けて、新旧管理会社で早急に必要な書類等の引継ぎは実施しますが、そのほかにもいろいろあります。 緊急対応の転送装置の入れ替えも必要です。 | |
| 旧管理会社の契約が終了する日に転送装置の入れ替えを実施します。 これで、この日以降発生したトラブルは新管理会社と契約警備会社に通報されます。 | |
| 管理に必要な書類の引継ぎ作業です。 総会決議から、旧管理会社契約終了に暇では1ヶ月以上ありますのでその間にかなり時間をかけて確認作業を行います。 契約終了日における引継ぎは確認作業が主体となります。 それでも、預金通帳などの引継ぎにはもう少し時間がかかります。 | |
| 重要な引継ぎ業務に共用部分の鍵の引継ぎもあります。 一人が読み上げ、もう一人が本数を確認しながら鍵保管リストと現物を全て確認します。 メンテナンス業者に貸し出している場合も多く、この確認作業は結構大変です。 この後、引継ぎ日までの決算は旧管理会社にやっていただくことになりますが、決算報告まではさらに1ヶ月程度かかります。よってその決算報告の内容についても監査する必要があります。 また、多くの場合は損害保険の代理店も旧管理会社が窓口となっている場合があるので、保険契約が終了するまでは、旧管理会社に誠実に代理店業務をやっていただく必要があります。 管理会社の変更を行う場合は、以上のような内容についてもきちんと確認しておく必要がありますので本当に大変です。 |
なお、「管理会社の変更業務」に関する詳しい内容や当事務所の考え方などは、私のマンション管理士事務所 ホームページをご覧下さい。
(重松 秀士)
マンション管理一筋! 業界トップクラスの実績、充実の設備と支援体制が自慢の重松マンション管理士事務所の詳しい業務については、事務所ホームページをご覧下さい。
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